産業振興センター診療所

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Medical

循環器内科Circulatory organ

不整脈(ふせいみゃく)

不整脈とは正常な脈(正常洞調律といいます。当診療所のロゴマークのモチーフでもあります)以外の脈のすべての総称です。

ほとんどすべての方に“不整脈”はあります。その中に不整脈そのものが生命にかかわるもの、不整脈そのものは生命にかかわりませんが脳梗塞の原因になるもの、生命にかかわりませんが症状のきついもの、症状も全くなく放置しても全く問題ないものなど様々あり、きちんとした心臓の評価が必要となってきます。健康診断などで比較的指摘されやすい不整脈について説明します。

心房細動
心房細動

高齢化社会を迎え現在一番問題になっている不整脈は心房細動(しんぼうさいどう)です。心房細動とは、心房(心臓の上の方の腔)が、1分間に300回-600回程度(通常は60-80回程度)で電気的に興奮してしまう不整脈です。

心房細動は不整脈そのものは直接生命には関わらないことが多いですが、人によっては心不全や脳梗塞の原因になります。症状は人によりよりますが、救急車を呼ぶくらいの方から全く症状がなく健康診断などで偶然発見される方もいらっしゃいます。

ところが脳梗塞は症状の有無にかかわらず生じるリスクがあります(年齢や他の合併疾患による)。治療法には薬物療法(抗不整脈薬、安定剤、抗凝固療法)やカテーテルアブレーションなどの選択肢があります。治療方針は年齢や合併疾患、その他患者さんの選択によるところがあり、患者さんごとにカスタマイズする必要があります。経験豊富な当院所長にお気軽にご相談ください。

期外収縮

期外収縮には上室性期外収縮、心室性期外収縮と大きく分けて2つの種類があります。上室性期外収縮とは心房(心臓の上の方の腔)から、通常の脈を出す以外の場所から勝手に脈を作ってしまう不整脈で、心室性期外収縮とは心室(心臓の下の方の腔)から、脈が出てしまう不整脈です。

これらは器質的心疾患(きしつてきしんしっかん:心臓そのものにもともと異常がある状態)に伴わない場合は生命にかかわることは少ないですが、症状には幅があります。したがって、放置しても構わない方から、治療をした方が良い方まで様々です。

まず、器質的心疾患の有無を評価した後に、ご本人の症状により治療方針か決まってきます。動悸などの症状がある、あるいは健康診断などで指摘された場合は経験豊富な当院所長にお気軽にご相談ください。

虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)

虚血性心疾患

虚血性心疾患には、大きく分けて狭心症と心筋梗塞があります。狭心症はさらに労作性(ろうさせい)狭心症と冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症に分けられます。

労作性狭心症とは、心臓に負担がかかったとき(坂を上ったとき、走ったときなど)に心臓へ行く血流を増やそうとしても動脈硬化で心臓の血管が広がらず、心臓への酸素供給がすくなくなり胸が痛くなったりします。

冠攣縮性狭心症とは安静にしているときなどに心臓の血管(冠動脈)が痙攣(けいれん)をして、心臓への酸素供給が少なくなり胸が痛くなったりする疾患です。放っておくと心筋梗塞につながることもあります。

心筋梗塞とは、冠動脈が何らかの原因で閉塞し、長く続いた場合に心臓の筋肉が壊死(えし)してしまう状態です。心筋梗塞を生じると場合によってはそのまま突然死をすることがあります。最近では病院に運ばれればかなりの率で助かる場合が多くなってきています。虚血性心疾患になるリスクとしては、高血圧症、糖尿病、脂質異常症などいわゆる生活習慣病や、喫煙習慣などが影響します。

生活習慣病の治療(血圧を下げる、血糖値をコントロールする、コレステロールを下げるなど)の最終的な目標は、虚血性心疾患や脳梗塞などの動脈硬化性疾患を予防することにあるといっても過言ではありません。胸が痛いなどの症状がある場合には、経験豊富な当院所長にお気軽にご相談ください。

弁膜症(べんまくしょう)

心臓には4つの弁があり、血液が逆流するのを防いでいます。僧帽弁(そうぼうべん)、三尖弁(さんせんべん)、大動脈弁(だいどうみゃくべん)、肺動脈弁(はいどうみゃくべん)です。これらが閉まりにくくなる病態が閉鎖不全、開きにくくなる病態が狭窄症といわれます。

いずれも状態が進行すると心不全を生じ、寿命にかかわってきます。症状の進行度により外科手術が必要になってくることがあります。聴診で心臓の雑音が指摘された場合や、たまたま心エコーで指摘される場合があります。

心筋症(しんきんしょう)

心筋症には、肥大型(ひだいがた)心筋症、拡張型(かくちょうがた)心筋症、拘束型(こうそくがた)心筋症などがあります。

簡単に言うと肥大型は心臓の筋肉が厚くなる病気、拡張型は心臓の内腔がおおきくなる病気、拘束型は心臓の拡張が妨げられる病気です。いずれも最終的には心不全となります。

心不全(しんふぜん)

心不全とは病名ではなく、状態を示す用語です。一言でいうのはかなり難しいですが、あえていえば身体の酸素の要求量に対し、心臓が十分に酸素を含んだ血液を供給できない状態です。

上述の不整脈や虚血性心疾患、弁膜症や心筋症が進行すると最終的にすべて心不全に結びつきます。当診療所所長は重症心不全の治療経験も豊富ですのでお気軽にご相談ください。

高血圧症(こうけつあつしょう)

高血圧症

高血圧症は症状があることはまれで、健康診断や日々の血圧測定などで発見されることがほとんどの疾患です。前述のように高血圧症の治療の最終目標は動脈硬化の予防であり、気の長い病気との付き合いが重要です。

高血圧症と診断された場合には、1日の塩分摂取量を6g程度に抑える(日本人の1日塩分摂取量は11~12g、生命維持に必要な塩分摂取量は3gです)、適正な体重を維持する、適度な運動を行うなどの生活習慣の改善が必要です。

生活習慣の改善でも血圧が高い場合に内服薬による血圧管理が必要となってきます。診察室や健康診断時だけに血圧が高い白衣高血圧という場合もありますので、高血圧が疑われた場合には自宅での日々の血圧測定も重要です。高血圧症の治療経験も豊富な当診療所所長にお気軽にご相談ください。