エアロパーツ装着し、完成です。
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3月16日に、富士チャンピオンレース第1戦が行われました。昨年同様のFCR-86BRZⅠ(N1)クラスでの出場でした。今年からユーチューブでのライブ配信も始まり、少しずつ盛り上がりを見せてくれるでしょう。前々日にはなんと雪が降る天気の悪い週末、当日は3~4mmの雨でした。雨の練習はする機会がなかったのですが、同時に走るチューニングカークラスはタイヤが指定のため変えられず、私の出ているN1カテゴリーは雨の時はかなりグリップのよいダンロップのSタイヤが使用できるため、総合1位も狙える状況でした。当日はタイトなスケジュールで、朝6時に受付後、装備品チェック、車検をうけ、ドライバーズブリーフィングを終え、8時から予選スタートでした。2分前にピットエンドに並ぶのですが、雨のため早く出ていくのか、全部が出てから行くのかなど色々作戦があります。今回は早く出ていく方針で並びましたが、6台目になってしまいました。スタートして前車に続いて1コーナーをまがり、コカ・コーラコーナーに入ったときに前車のラインどりが??だったのでどこかで抜こうと思いましたが、後ろからの車が左に並んだため、そのまま100Rにはいりました。100Rに入って間もなく、前車がブレーキをかけた直後スピン、すぐにアウト側にハンドルを切りましたが、直後に前車がタコ踊ってアウト側に飛び出してきてぶつかりました。私は予選を1周することもなく終わりました。その後予選は他のクラッシュのため赤旗終了になりました。ピットに帰るとぶつかった車のドライバーが謝りに来ていました。メカニックが何とか決勝までに修復をしようとしてくれましたが、ダメージが大きくリタイヤとなりした。
3月28日にTC2(JAF非公認2時間耐久レース@つくばサーキット)の開幕戦がありました。昨年度は第3戦目までにシリーズチャンピオンとなることができ、最終戦は車をマーチから2.0リットルBRZ(222号車)に替えクラス変更して出場、そこでもクラス優勝したため、今年は222号車を富士に出ている5号車と同じカラーリングにして出場しました。いつもの若者2人と出場しました。今回は総出場チーム17チームで同クラスにはコルトなどほかに2チームいました。いつも通り予選は若者2人で走り、ベストタイムは1分06秒758、総合5位でした。途中赤旗中断がありましたが、原因はうちのチームの部品のコース上への落下でした。タイヤを前回のダンロップからブリヂストンに変更したのですが、同サイズでも外径がやや大きいようで、右フロントタイヤがタイヤハウスに干渉して部品が落下してしまいました。ブレーキを冷やすダクトにも干渉していたようで、決勝までにメカニックに対応してもらいました。決勝は5番グリッドからでローリングスタートでした。スターティングドライバーはベストラップをだした若者で、順調に周回を重ね、一時総合3位にもなりました。途中1回のセフティーカー(SC)がありましたが、その後の赤旗中断時に私にドライバー交代をし、コースイン。10か月振りの222号車で、なかなか調子が上がりませんでした。前回燃料が2人のドライバーで足りなかったため、燃料の残を報告しつつ走行、全開で言ってよいという指示が出たのでそのまま周回を重ねました。ラストのドライバー交代直後に赤旗中断があり、これでSC1回、赤旗2回とドライバー交代2回で燃料は持つだろうとのことで、最後まで全開の方針となりました。が、のこり10分の時に燃料の警告灯が点き、最後3分でガス欠症状が出現しスローダウン。チェッカーを受けなくてはならないので、そのままゆっくり走り何とかチェッカーを受けました(写真は最後にチェッカーを受ける222号車)。クラス優勝はしましたが、総合は8位でした。
当日朝4時過ぎに家を出て、(法定速度を守り)警察のご厄介にならないよう細心の注意を払い走行し、6時前後に富士スピードウェイに到着、コントロールタワーでレースの受付をします。
当日有効な運転免許証(JAF公認レースには免停中などは出られません)、カテゴリーに必要なライセンス(国内A級ライセンス以上)、富士スピードウェイのライセンスを提示して受付をします。
荷物などをピットに置き、準備を始めます。まず初めはレース前の車検と装備品チェックです。以前はメディカルチェックがあり、医師の診察などもありましたが、コロナ禍からなくなり、スマホでの事前アンケートのようなのものになっています。列に並んで車検場に向かいます。エンジンはかけないので手押しで進みます(写真)。車の灯火類や安全装置の作動チェック、重量計測(最低重量が決まっています)、車の下回りのチェックがあります。ここで消火器の期限切れ、シートベルトの有効期限切れなどがあるとレースに出られません。車検が通るとシールを貼られます(写真)。装備品チェックも年度初めは重要です。今回も私の前の方のドライバーが、ヘルメットの有効期限切れでレースに出られないといわれていました(最終的にはほかの人から借りて出たようです)。難燃アンダーウェアや難燃ソックス、耐火レーシングスーツ、ヘルメット、グローブ、ハンス、レーシングシューズなどFIA(国際自動車連盟)の基準適合品か、有効期限が切れてないかのチェックです。私は1週間前に慌てて難燃アンダーウェアとソックスを買いに行きました。
車検が終わるとトライバーズブリーフィングです。今回のレースの注意事項の確認などが、主催者からドライバーに伝達されます。
ブリーフィングが終わると間もなく予選開始です。予選は20分間です。開始2分前に表示があり、ピットレーンに並べます。他の車に引っかからずクリアラップが取れるように、早めに出ていくか、少し待つか、どのあたりで出るかなどいろいろ戦略があります。走り終えるとタイムがわかりますが、その後違反などの審議が行われ順位が変わることがあります。今回は予選タイム全27台中3番目でしたが、2番目の車が、ピットロードスピード違反や走路外走行のペナルティでグリッド降格となり、フロントロー(2番グリッド)からの出走です。決勝までの間もそれなりに忙しいです。エンジンルームのチェックや(写真)、ブレーキフルードの交換(写真)、タイヤカス取りなどで決勝に備えます。タイヤカスは自分の車や他の車のタイヤが消しボムのカスのように溶けて削れ、路面にあるものを拾ってしまったものです。グリップがかなり低下するので、丁寧にとることが重要です。写真は工業用ヒーターで温めながらヘラで取っているところと、きれいになったスリックタイヤです。
決勝は10周です。富士スピードウェイは、全長4,563m、ストレート長1,475m、コーナー数17、 コース幅15~25mあります。コースインをして1周してグリッドにつきます。車の最終チェックを行い、フォーメーションラップ開始3分前にすべてのスタッフがコースから退場します。1分前にエンジンをかけてシグナルが緑になったらフォーメーションラップの開始です。ここでいかにタイヤやブレーキを温めるかが重要になります。1周したところで再度グリッドにつき、いよいよスタートです。赤灯が5つすべて点灯したのち、消えた瞬間スタートです。
10周(約25分くらい)は長いようで短く、短いようで長いです。その間全集中していなければなりません。わずかなミスが順位を落とします。フィニッシュはチームスタッフに挨拶するためにサインエリア際を走ります(写真)。
10周終わるとピットレーンに入るところで入賞者とそうでない人が振り分けられます。入賞者はそのままピットレーンへ、それ以外は車両保管場に行きます(写真)。暫定表彰式があり、その後審議が行われ、違反などがなければそのまま順位が決定します。違反があると、コントロールタワーにチーム監督やドライバーが呼ばれて審議が行われ、順位が変わることもあります。車両保管は入賞者の車両に違反がないかをチェック(ガソリンをすべて抜いた後の最低重量のチェックやその他不正な改造など)したのちに車両保管が解除されます。入賞者に不正があり降格した場合には、繰り上げになった車両の車両チェックが行われます。
車両保管が終わったら(1~2時間くらい)車を取りに行き、後片付け及び反省会をして、帰宅の途につきます。帰りも(法定速度を守り)警察のご厄介にならないよう細心の注意を払い走行し、安全運転で帰宅します。
エアロパーツ装着し、完成です。
さて、昨年1月から開始した、新型BRZレーシングカー化ですが、いよいよ最終段階に入ってきました。2024年1月26日にカラーリングが終わりレース屋さんに帰ってきました。この時点でエアロパーツは外してありますが、この後エアロパーツ装着、コンピュータを書き換えたらいよいよ完成です。
さて、1月から継続していた新型BRZのレーシングカー化ですが、ようやく8月20日に富士スピードウェイでシェイクダウンしました。といっても、スピードリミッターは切れてない、コンピュータもいじってない、エアロパーツはついていない、外装もやってない、なんとまだ“ナンバー”がついているという状態でした。外から見ると見た目は普通の乗用車でした。朝1番で走り始めましたが、まず1周ぐるっと回ってピットにかえって車両のチェックをすると、ドライブシャフトやマフラーにグリースが飛び散って…。ひとまず拭いてさらに2周してきましたが、再度グリースが飛散。とのことで、はじめの30分走行枠は3周で終了。ディファレンシャルギア(LSD)からドライブシャフトが出ているところのブーツが新型車両では硬いプラスチックになっているようで、スリックタイヤで駆動系への負荷が強く発熱でグリースが吹き出してしまったようです。それ以外にもデフクーラー(LSDを強制的に冷やすもの)のヒューズが切れて作動しなくなったりしました。メカニックが何とか対処して、次の枠の走行に間になんとか合いました。次の枠は2周してもどって、車両チェックしたところ特に問題なかったため、その後は全開走行ができました。ただスピードリミッターが効いているので183㎞/h以上は出ない状態でした。それでもタイム的にはまずまずのタイムが出たため、今後完成した時が楽しみです。実戦への投入は来季になりそうです。
さて、今年の1月から製作していた新型BRZのレーシングカーですが、数々の問題を処理しつつ、6月12日の時点で、まだ外装はしていませんが、トランスミッション(変速機)を分解して、レース中に折れると言われている3-4速のシフトフォークを対策部品に交換作業中です。写真のステアリングは、レースのサポートをしていただいているATCの社長からいただいた開発第2号の試作品です。
3月15日に製作現場に行ってきました。ボディの補強が終わり、内部は白でキレイに塗装され、ロールバーが入っていました。最近の車は電子制御に関連する部品やコード類が多く、うっかり外してしまうと安全装置が働いてエンジンがかからないなどの不具合が出ます。すべての部品やコード類が何をやっているかは分厚いマニュアルを参照する必要がありますが、まだ手に入れてないとのことでした…。そういえば今使っているレーシングカーもエンジンブローした際に、後期型のエンジンに乗せ換えようとしたらエンジンがうまく機能せず、2020年の第1戦で走行前にリタイヤしたことがありますが、同じ車なのにいろいろマイナーチェンジがされ、電子制御のパーツかなり複雑化しています。プライバシーガラスの件は、監督に確認したところ、最近は暑さ対策でわざわざフィルムをはるレーシングカーもあるとのことで、そのままにすることにしました。ホイールが17インチに指定されたため、ホイールを3セット12本買う必要が出てきました…。
2月5日時点でようやく前掲レシピ①の状態になったところです。車の中はからんどうとなり、メーター類などの細かい部品が車内におかれています。快適だったクーラーも外され(右下の重そうな部品)、夏のレースは灼熱地獄となります。ここで初めて気が付いたことが、トヨタの86はリアガラスが全グレード透明なのに対し、BRZのほとんどのグレードはプライバシーガラスになっていることです。レースでの視界確保が重要なので、ガラスも交換する必要が…。レース初戦は3月終わりか4月初めとのことで、おそらく初戦には新型投入は間に合わないと思われます…。
(写真上左:フロント部分とダッシュボードを外したパーツ 写真上中:車内フロント方面 写真上右:車内横方向 写真下左:車内後方、プライバシーガラスにあぜん 写真下右:クーラー関連部品、重そう…)
2023年1月14日いよいよレーシングカーにするためにレース屋さんへ移動です。いままで慣らし運転として通勤などに使っていましたが、とても快適でした。静かでエアコンもよく効き、オーディオやバックモニターもついている状態。オートクルーズ機能などの便利機能やエアバックなどの安全装備もついています。これらがすべて取り払われると思うと…。積載車にのせられて連れていかれました。。。ドナドナ~
さて、2024年からのN1カテゴリーの新型BRZのレギュレーションも決まり、いよいよレーシングカーの製作に取り掛かります。2023年1月9日現在まだ車はナンバー付きのまま手元にありますが…。
ひとますレーシングカー製作のレシピを書いてみました。
材料(1人分)
スバルBRZ | 1台 | |
ホワイトボディ※1 | 1台分 | |
ボディー関連 | ロールケージ | 1セット |
駆動系 | 強化クラッチ | 1セット |
LSD | 1セット | |
デフクーラー | 1セット | |
制動系 | ブレーキキャリパー | フロント1セット |
ブレーキローター | フロント1セット | |
ブレーキパッド | 数セット | |
吸排気系 | マフラー | 1セット |
エンジン補器類 | オイルクーラー | 1セット |
ラジエター | 1セット | |
足回り | ダンパー | 1台分 |
バネ | 前後数セット | |
ホイール | 3セット | |
空力パーツなど外装 | エアロパーツ | 1式 |
カッティングシート | 1式 | |
その他内装類 | ECU※2 | 1セット |
バケットシート | 1脚 | |
キルスイッチ | 1セット | |
ハンドル | 1セット | |
追加メーター | 1セット | |
消火器(CO2) | 1個 | |
5点式シートベルト | 1式 |
※1 ホワイトボディとは何もついていない、ただのがらんどうのボディで、レーシングカー作製はそこに完成車から必要な部品を移植していく方が簡単ですが、予算や時間の問題で間に合わない場合は(今回は予算の関係で)、なくても大丈夫です。
※2 通常N1仕様ではECUはノーマル書き換えで対応しますが、BRZのECUがインテル製(海外製)となり、いまだ発売以来解析が終わっておらず、リミッターカットや燃料調節などの書き換えもできないため、暫定的にリミッターカットパーツを取り付けすることになっています。
(注)上記の部品以外も様々な部品が必要ですが紙面の関係上割愛させていただきます。